ヤンキー鳶職人を目指す!

かれこれ20年前、金髪で単車に跨って弾けまっくていた我が社の社長…笑

学歴社会といわれる日本で、学校にもまともに通わなかった少年が

今や社長という立場。そんな人生を歩む人間もいるんですよね。

懐事情なんかも交えて話しをしてしまえば

堅実に大学行って就職して、サラリーマンとして働く方々より

高収入だったりするわけです。

でも、これって実は中小企業の建設業では結構ありがちなパターン。

勉強が苦手だからイコールで頭が悪いとはまた違う。

生きる力をつける職業としては、すごく良いのではないかな?なんて思います。

きっかけはニッカ!

さて、ではなぜ社長は鳶職の会社に就こうと決めたのか。

なんとか(笑)中学を卒業した社長は、高校進学ではなく就職の道を選択しました。

というより、もはや一択ですね(;^_^A

事務員 「なんで鳶の会社を選んだのですか?」

社長  「ニッカがガッコ良かったから!それだけ!」

なんと、社長への道のりは "ニッカがカッコよかった" それだけだったのです!

ニッカとは正式には ニッカポッカ といいます。

最近はあまり履いている人を見かけないのですが

下の部分がダボっとしている作業ズボンの事です。

裾は絞ってあり、この裾の部分を足袋の中に入れ込んで着用します。

当時の鳶の会社の職人たちの多くが、この作業服を着て仕事をしていたんですよね。

ニッカが選ばれてたのにも理由があるんです

狭い所や高い所で作業することがメインの足場工事。

ダボっとしているので、資材が引っかかっても傷がつくのは身体ではなく作業服。

狭い足場で距離感をつかめるといったメリットがあったそうです。

高い所では風の抵抗を受ける事で平衡感覚が取りやすかったり…

もちろん当時の流行という一面もあったのだと思います。

ただ、近年はそもそも引っかかってしまうことが

逆にデメリットとみられ、ニッカを履くことを禁止する工務店さんもあるみたいです。

ストレートなボトムが主流になってきたことで

ニッカを好んで履く人も減ってきたようですね。

とまあ、当時ニッカを履く職人を見た社長にはとってもカッコよく映ったそうで…

ニッカを履きたいの気持ちだけで、16歳になりたての少年が

鳶工事(最初は足場鳶)の会社に就職したというわけです。

鳶職になるのに必要なスキル。鳶はチームプレイ!

何もわからない16歳の少年がまず飛び込んだのは足場鳶の世界。

16歳という年齢では足場に上がる事ができないので

まずは地上で資材の受け渡しをしたりと

地道な業務をこなしていくわけです。

足場に上がれるようになるまでにしっかりと資材で筋トレです!

一度足場に上がってしまえば、重たい資材であっても

落とすことは許されない世界。

その為には、体力・筋力ってとても大事な部分なのです。

体力が持たないと、受け渡しのタイミングもどんどん遅くなってしまいますよね。

慣れてくれば、受け渡しもスムーズになり

上で作業する職人達の作業効率もアップ!!

そう、チームワークが大事な仕事なのです!!

受け渡しのタイミングって

「相手の気持ち」を考えないと身につかない。

連携プレーだからこそ、そんな小さなことがとっても大事なんです。

そして18歳になればようやく足場デビューです!

ここからは、足場を組むスキルを磨いていかなければいけません。

足場って1種類じゃない!全てを頭にインプット!

一口に足場と言っても、足場にもたくさんの種類があり

単管足場・ビケ足場・枠組み足場・次世代足場などなど

それぞれに対して、それぞれに適した資材があり

強度や組み方もばらばらです。

それらをきちんと覚え、頭に入れ

ゆくゆくは建物を見ただけで、どんな足場を組むべきか

頭の中でシミュレーションが出来るようなる。

そこが目指すところです!

それでも組んであれば良いというものでもなく

段差があったりと、足場を使って作業する業者が

作業がしにくい足場はクレームにもつながります。

飛び立った鳶

そうして、着実に技術・ノウハウを身につけ

社長は21歳の時に独立したのです。

これまた、最近は少数ですが

はじめは「一人親方」からスタート。

そのうちに社員を雇うようになり仲間も仕事も増えていき

「会社」として動くようになっていったのです。

下請けとして働く中で

鉄骨鳶・重量鳶の仕事もこなすようになり

16歳のヤンキーは「鳶職」に、そして

「鳶工事の会社の社長」変貌をとげたのです。