請負工事?常傭工事??
建設業には ” 請負工事 ” と ” 常傭工事 ” が
あるのですが、ちょっと利益・賃金の面で深堀りしてみようと思います。
具体的に例を出していますが、すべてがそうであるという事ではないです。
そして、事務員がブログアップしているという前提で
あくまで一例として閲覧ください!!!(^^;)
請負工事にかかる経費
請負工事を獲得するまでの道のりといえば、まずは営業ですね。
お話をいただくと早速、見積りを作成します。
足場工事の見積額の基本はたいてい
足場を建てる面の総平米 × 平米単価
がベースとなっています。そこにシート・昇降設備などの金額も乗せていくわけです。
仮に、200㎡の民家の現場を500円の単価で見積したとすると
200㎡ × 500円 = 100,000円
となるわけです。※単価はあくまでも例えです。
ここから、人件費・材料費・運搬費などなど経費が引かれていくので
結構な薄利だったりするんですね。
組立・解体に各2人工ずつ必要であれば
人件費を1人当たり 15,000 円で考えても 60,000 円の人件費が必要です。
資材は自社で所有しているものがあれば利益率UPですが
他の現場に出払ってしまっていて不足していたり、そもそもなければ
リースしてくる必要があります。
リースは1日あたり、1つの資材で安いものは1円未満もありますし
メインの資材でもたいてい1~4円程度です。
が!!この単価に数量を掛け、借りる日数をかけると結構なウエイトを占めるんです。
ちなみに1ケあたり資材リースに基本料の請求もあります。
しかし!!請負工事には伸びしろたっぷりなんです!!
薄利と書きましたが、では、1日あたり3現場あると
資材に係る費用は増えますが、人件費は変わらずなので利益率アップです。
100,000円(1現場) × 3現場 = 300,000円
▲人件費 60,000円
▲資材1現場 30,000円 × 3 現場
簡単に説明してしまえば、1現場 ざっくり 10,000円の利益だったところが
150,000円の利益になるという構図です。
実際には必要になってくる人工が変わってきたりもするのですが
それでも、請け負う工事の件数が多ければ
作業員の要領なども問われますが、確実に利益アップです。
先にも書いたように、資材を自社で用意出来れば更に利益率UPです!
(資材購入にあたって融資とかは必要ですが…)
上記はすごく簡単な例なのですが、請負工事は要するに
作業効率が重要であり、利益に直結するのです。
大きな現場であれば、いかに効率よく少ない人工で(もちろん安全に)
工事を完了するのかがポイントとなってきますね。
常傭工事とは
常傭工事はどんなに効率よく進めても、1日1人工あたり〇〇円と決まている単価契約の工事です。
資材に経費は掛からないのですが、上限が定まっている為
常傭工事だけでは、賃金の上限も限られてしまいますよね。
例えば1人工1日20,000円としましょう。※この単価もあくまで例えです。
20,000円 × 23日 = 460,000円
人件費が1日15,000だとすると
▲12,000円 × 23日 = 276,000円
利益は 184,000 円
会社はここから、経営する為の経費を支払うわけです。
月日がたち 12,000円の日当の従業員さんの人工が 15,000円 になっていたとします。
すると、会社の利益は 11万弱ですね。
ではでは、18,000円の日当になると?
18,000円 × 23日 = 414,000円
会社の利益は 46,000円
構図としてはこのようになるのですが、実際には社会保険料の会社負担が
あるので、収支的にはマイナスです!
40万程度の月収だと、社会保険料は5.5万以上です。
これでは会社は回りません。
もちろん、人件費だけでは会社はまわらないので大赤字ですね(;^_^A
逆に言えば、常傭工事1日2万円で仕事をしているだけならば
賃金(日当)は18,000円を超えれないのです。
利益 賃金 スキル 信頼 は、ひとつながり。
賃金を上げていくという事は イコール で 会社の利益を上げていくということ。
会社に「利益」という人件費の財源がなければ、賃金には反映できませんよね。
売上を生み出すのは日々頑張って働く労働者さん。その労働者さんが働く仕事を獲得してくるのは
社長であったり、営業マンさんであったり。
会社は社員の為に、社員は会社の為に 互いに支え合って成り立つものではないでしょうか。
足場工事は常に 平米 であったり、 人工 であったり
” 単価 ” というものがベースです。
そして、
” 営業していれば ”
” 仕事していれば ”
と、永久的に続ける事のできる仕事でもありません。
スキルや信頼。そこがあってこそ、次の仕事に繋がっていくのです。
弊社も色々ありますが…スキルの向上も、信頼の獲得も個人単体だけではダメなんですよね。
けれど、各々が意識しなければ会社という集合体として認めてもらえないものです。
みんなが意識しながら、向上していける会社でありたいなと思う
今日この頃です。